私的読者記録大公開 みよの読書日記



★第8回★「2007年みよ的読書ランキング発表。の巻」


今年3度目の日記です。
それで、それが、あの、2007年の読書ランキングです。
どうなのかとお思いでしょう。ごめんなさい。
限度枠いっぱいまで滞り、このまま朽ちていくかと思われたこのコーナー。
温かい励ましのメールをくださったNさん、ありがとうございました。
来年はもう少し書けたらと、思うには思うんです。すみません。
とはいえ今年もたくさんのすてきな本に出会えましたこと、感謝します。

●○●2007年(に出た)新刊ベスト5●○●

1位『花宵道中』/宮木あや子/新潮社
感:骨の軋む音が聞こえてくるような、すすり泣く声がすぐそばで息づいていると錯覚するような、切なさが胸に迫りまくる小説。すごい。痛い。つらい。わかる。もだえる。嗚呼。舞台は江戸末期の吉原です。読んでください、これが小説の醍醐味だと思うから。

2位『レッド』1巻/山本直樹/講談社
感:雑誌『イブニング』で連載中のマンガです。山本直樹さんが連合赤軍を描いてます。当時の狂騒的で切実な“熱”を、わたしは体感できない=知れないと思っていた。だから踏み込めずにいた。でも、それは違った。本当に本当に、早く続きが読みたいです。

3位『貧困襲来』/湯浅誠/山吹書店
感:「ワーキングプア」って横文字にすることで軽く扱えるような錯覚を起こすけれど、これは現代日本の<貧困>の問題なんです。わたしたちのすぐ、すぐそばにあるんです。そこまで来てるんです。気づかないことは怖い。この本は、ちゃんと教えてくれます。

4位『みずうみ』/いしいしんじ/河出書房新社
感:言葉って、美しいんです。まるで目に見えるかのように、その透明な輝きに触れられるかのように。こうやって描いてもらえたら、わたしたちにもそれがわかるんですよね。空や水を漂うような、そんな不思議な浮遊感を味わえる小説です。すごく好き。

5位『普通の家族がいちばん怖い』/岩村陽子/新潮社
感:223世帯の主婦に「クリスマスとお正月をどう過ごすか」というリサーチをし、結果をまとめた本。もうね、タイトル通りです。「怖い」。実態そのものというより、その事態に至る精神がね。わたしは「ちゃんと怖かった」です。読んで感想教えてほしいなぁ。


●○●2007年(に読んだ)既刊ベスト5●○●

1位『苦海浄土-わが水俣病』/石牟礼道子/講談社
感:これまで読まずにいたことを恥じました。水俣病が引き起こした惨劇を、それがどんな苦しみと絶望であったかを、知らずにいたことを恥じました。知ることでいただいたきっかけです。自分の頭と言葉で考えるための。それが、ありがたい。素晴らしい本です。

2位『白い巨塔』『続白い巨塔』/山崎豊子/新潮社
感:『沈まぬ太陽』『華麗なる一族』シリーズ含め、2007年に初めて読みました。同じ女性として、文学をこんなふうに構築できるということの才能に、ただただ感嘆しました。すごくおもしろいです。おもしろいって、こんなにすごいんです。読んでない方はぜひ。

3位『鈴木先生』1~3巻/武富健治/二葉社
感:編集部の新人・もりピヨに借りて読んだマンガ。ええと、過剰です(笑)。最初若干戸惑います。でも過剰が過多に供給され続けることで、なんかものすごく身につまされる。こぶしを握ってたりとか。涙ぐんでたりとか。雑誌『漫画アクション』にて連載中。

4位『ペルセポリスⅠ イランの少女マルジ』
 『ペルセポリスⅡ マルジ、故郷に帰る』/
マルジャン・サトラピ著、園田恵子訳/バジリコ出版
感:舞台は1978年のイラン、主人公は9歳の少女・マルジ。自分らしく在ることが困難な状況下にある場合、それをあきらめ続けないためのパワーを保持できるかどうかということは、とても重要かつ難しい問題です。マルジはすごい。いいマンガです。絵も好き。

5位『ヘンリエッタ』/中山咲/河出書房新社
感:小さい頃に空想した、自分だけのお家。あったかい台所とかわいい庭があって、すごく安心できる空間。そして、そこで一緒に過ごす大切な人たち。ひっそりとしまっておいたいつかの夢を、思い出しました。居心地のいいふんわりとした小説です。

いかがでしょうか? かぶります?
かぶってもうれしいし、かぶらなくてもうれしい。
みなさんのランキングも教えていただけたらもっとうれしいです。

では、よいお年を! よい読書を!!

来年も読み倒します。


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