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![]() ★第4回★「図書館との蜜月。の巻」 ![]() 図書館が好きです。引っ越し先を決めた決定打のひとつにも「近くに図書館があったから」つぅぐらいに、彼女(図書館て女性名詞な気がする、ホントはどうか知らないけど)はぐりぐりと生活にねじこまれている感じ。私の場合、本はまず図書館で借りて読むのが主。読んだ上でどーしてもこれはウチにないとだめじゃぁ!って思うものを、後から購入するという感じで読書生活、送っております。では、今回も参りましょーか。 まず女性作家の近刊から。『人のセックスを笑うな(山崎ナオコーラ)』『風味絶佳(山田詠美)』『アイムソーリー、ママ(桐野夏生)』『ハロー・グッドバイ(糸杉紗衣)』『対岸の彼女(角田光代)』『パレット(前川麻子)』『天使の梯子(村山由佳)』『間宮兄弟(江國香織)』『魂萌え!(桐野夏生)』は、どれも安定感のある読み心地で、さらりんさらりんと楽しい時間をくれました。 んーでも特に私が気になったのは、芥川賞を受賞した『人のセックスを笑うな』と、元はネット上で掲載されていたものが書籍化した『ハロー・グッドバイ』。むぅぅ、どっちも好きですね~コレ。じわじわとのどもとを上がってくるような、おだやかかつ強烈な共感。どう?どう?って次々にキメ技を見せてくれる類のものではないんですけど、淡々としていて平気そうで、なんか女友達みたいな本。彼女たちに人格があったら、私仲良くなるだろうなって感じの。 次は男性作家の近刊。『カフェー小品集(嶽本野ばら)』『酒気帯び車椅子(中島らも)』『そのときは彼によろしく(市川拓司)』『遮光(中村文則)』『土の中の子供(中村文則)』『迎え火の山(熊谷達也)』『南回帰線(中上健次)』『東京奇譚集(村上春樹)』『花まんま(朱川湊人)』『カオス(梁石日)』『悪意の手記(中村文則)』の11冊です。 私、中島らもさんが大好きで、この『酒気帯び車椅子』もおもしろかった~。シリアスとユーモアとブラックを配合する分量が、まじめだしホントうまいよなぁと改めて思いました。らもさんが亡くなられたことに関して私もずいぶんいろいろ考えたけど、でも今は、これだけ。「らもさんのご冥福を心からお祈りするとともに、尊敬と親愛と感謝を捧げます。」 さて、それから『南回帰線』も興味深い1冊でした。これは著者の中上健次さんが未完のまま残していたシナリオ形式の物語を、大塚英志さんと大沢信亮さんが出版したもの。中上さんという作家を知る上で、貴重かつ有益な本だと思います。出版されたことがよかったなぁと、同業者として感じ入る作品でした。 『カフェー小品集』の嶽本野ばらさんもとても好きな作家さんの1人。これは、嶽本さんの好きな喫茶店たちを舞台にショートストーリーが描かれている作品集です。私も“喫茶店”大好きなので、こういう主旨の凝り方はワクワクして楽しいぃぃ。 でもでも、「あぁー!買う?」って、今脳内ミーティングしているのは『花まんま』なんですよね。おはなし(=物語)ってこういうことだなぁというか、すぐ近くにあることをすごくよく見ている“目”を感じてぞっくりきてしまいました。朱川さん、次の本も楽しみにしてます! で、上記の本はほぼすべて図書館からのレンタルなわけですよ。ありがたや。しかもね、いくつかの区や市の図書館を使い分けていると、そのシステムやら品揃えやら人気の偏りやらまで見えてきておもしろい。たまに表紙の次のページに帯文を切り抜いて貼っているところがあるんですけど、私あれ大賛成です。買ってなくたって帯は読みたいじゃん! えばれないけど! しかも最近はネットで書籍予約もできてホントーに便利。単行本って装丁や重さや紙の質感も作品の一部なのだと思うし、「文庫を待つ前にレッツ図書館」を推奨したいみよなのでありました。 次回も読み倒します。ちゃかぽこちゃかぽこ。 ![]() |
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